|新潟市-O様邸|
内部は躯体コンクリートを剥き出しにし、仕上げはラワン、モルタル、オークで構成。
建具枠を無くし、合板の継ぎ目を揃えたりと納まりをきれいにすることを徹底し、ラフでありながらもどこか気品を感じさせる空間になっています。
その結果、躯体コンクリートの荒さと、内装の繊細さにギャップが生まれ、リノベーションならではの仕上がりに。
テーマである「廃墟」というのは、あまり作為的にしたくないという意味合いとして。
家っぽさを排除することで、個人宅のLDKでありながら、誰もが自由に使えるラウンジのような匿名性の高い空間になりました。
日常の中に非日常を持ち込んだような暮らし方には、家をただ機能として見るのではなく、むしろ川面を眺め佇む時間や、バルコニーで夕涼みする時間にこそ価値が見出されます。
どこか情緒的で懐かしい感じも、築36年の歴史をリノベーションでつなぐ住まいの魅力の一つとなっています。